ライオンスマンション能見台

今回の審査対象物件は「ライオンズマンション能見台」です。能見台と銘打っていますが実際の所在地は金沢区の富岡東6丁目に有ります。富岡東よりも能見台のほうがブランドイメージがあるので能見台を銘打つのですね。この場所は京急の富岡駅より国道16号を南下します。ちょうど京急富岡と能見台の中間付近の国道16号線沿線にあります。 中間付近にありますが、通勤に使う駅は能見台・富岡どちらも可能です。なぜなら富岡駅からは上り坂、能見台駅からは下り坂なので行きは富岡、帰りは能見台を使い分けるのも賢い選択かもしれません。

開発者は大京観光で、1988年8月に間組の手によって竣工しました。ライオンズマンション能見台は南東向きと南西向きに住戸が配置され総戸数は49戸で、間取りは46.41㎡~60.58㎡の2LDK~4DKタイプとDINKSやファミリー向けのプランニングです。階数は15階建てですが、写真のように16号沿いの傾斜地に立つために変則的な15階なのです。エレベーターは2箇所に設置されていて、第一段階は6階まで上がります。それ以上の階に上がるには6階の廊下を移動して建物の奥に位置する第2のエレベーターで上がることになります。

最寄りの能見台駅は、エアポート急行の停車駅なので、都心方面への通勤・通学や羽田空港へのアクセスに便利です。また、隣り駅の金沢文庫駅は、西口と東口にバスターミナルを持ち多方面に多くのバスが運行されている他、都心の新橋駅と品川駅を出発する深夜急行バスの終着点にもなっています。

交通の利便だけ焦点が当てられがちになりますが、アウトドアが好きな人にはとても嬉しい場所でもあります。なにしろ海が近いのです。並木や幸浦・福浦はかつては富岡の風光明媚は海だったところです。釣りの好きな人にはたまらなく素敵な場所ですよ。さらに海だけではなく、総合公園や近くには釜利谷もありとても自然豊かな場所でもあります。子育ての情操教育にはもってこいの位置にあります。

さて現地調査です

ライオンスマンション能見台

さて現地調査です。 写真でもお解かりのとおり、16号線の沿線に位置していて、傾斜地のために車を止めるところは有りません。幸にこの場所はクランツ事務所から徒歩圏にあることから、意を決して徒歩で行くことにしました。クランツ事務所は京急の富岡駅より徒歩で3分程度の至近距離に位置します。なので「ライオンズマンション能見台」まではおおよそ10分程度の行程になります。

10分は十分二徒歩圏ではありますが、この仕事は機材等があるために少々大変です。今回の検査はマンションなのでまだ少ないほうですが、これが戸建になると脚立が不可欠で、移動には車は必須になります。とにかくマンションなので機材は重いとは言えまだ可能です。しかしながら富岡からは登りの行程のために途中でばててしまいました。

現地調査は外観チェックからはじめます。 ライオンズマンションといえばレンガ色のタイルが特徴です。この「ライオンズマンション能見台」もその通りでどこからでもライオンズマンションであることがわかります。外観は15階なので下から見上げる格好になります。当然全ての面を確認できませんが、その範囲内においては構造クラックやそれによるエフロレッセンスは認められず適切な維持管理が成されていることがわかりました。

対象住居は13階にありますから、先に説明しましたとおりエレベーターで二段階上昇を行います。まずは第一エレベーターに6階まで上がり、廊下を水平移動して第二エレベーターで13階の所定階に上がりました。開放廊下から望む眺望は絶景です。階数は13階となっていますが、実際は15階以上の高さがあります。絶景ではありますが、なれないと少し怖い感じがしないでも有りません。

住宅の間取りは小ぶりな3LDKです。しかし北西角部屋に位置指定ために比較的明るい間取りになっています。角部屋なのでプライバシーの確保も出来ていました。

内部は既存の間仕切りを残したリノベーションが成されています。間仕切りを残しているとは言え、水周りも全て最新型に変更されていて、内部だけを見ると新築マンションと変わりません。各部屋の水平や垂直・漏水の有無・建具の開閉状況にも問題はありません・バルコニーの雨水防水性能も特に問題は有りません。今回は築年数が経過していたので躯体のコンクリート強度試験も同時に行いました。全ての試験結果は適合していました。